システムレベルテスト（SLT）

テクノロジーの進化に伴い、テストのニーズも進化しています。 例えば、現在のAIデバイスは数十億個のトランジスタを搭載している場合があります。 プロセスノードの微細化が進むと、ATEによる故障検出率が99.5%であっても、多くのトランジスタが未検査のままになってしまいます。 SLTテストは、残りの0.5％の未テストのトランジスタの不具合を発見します。

複雑なテクノロジーにより、SoC、SIP（System-In-Package）、ソフトウェアの複雑さが増しています。 このように複雑化すると、非同期インターフェースが増え、パワー、クロック、サーマルドメイン、さらにソフトウェアとハードウェア間の相互作用が大きくなります。 これらの相互作用により、99.5%のATE故障検出率を達成するためには、より多くの労力が必要となります。 SLTは、複雑なインターフェースをより簡単に、より低コストでテストする方法を提供します。 また、ミッションモードでデバイスを動作させることで、不具合が発生する可能性のある複雑な相互作用をテストすることができます。

また、デバイスメーカーが抱える課題として、新規デバイスのプロセスにおける市場投入までの時間短縮と不良率の向上があります。 その結果、不良率が高いまま製品を出荷しなければならくなってしまうので、品質の高い製品を出荷するためには、不良を特定する必要があるのです。 SLTにより、エンジニアはデバイス開発の早い段階で故障検出率を向上させることができます。 このデータは、良好な歩留まりを得るまでの時間を短縮し、最終的なプロセスの歩留まり改善を待たずに、全体的な市場投入までの時間を短縮するために重要です。

最後に、IC設計者は、最先端のプロセスやパッケージの開発を活用しています。 これらの開発はエキサイティングで必要なことですが、一方で潜在的な欠陥や新しい故障モードが発生する機会も多くなります。 SLTは、デバイスが出荷される前に潜在的な不具合を発見することができるため、デバイスの総コストを下げることができます。